クリックしたら後は放置するだけの自動化の世界で競争に勝つには

By Doron Wagner

FacebookのAutomated App Ads(AAA)の登場は、オンラインマーケティング業界の新たな変化の予兆です。多くのキャンペーンが、設定可能なパラメータを少しだけ操作し、あとはクリックして放置するだけで、これまでにないレベルで自動化されるようになってきています。

この変化は、業界全体に及んでおり、今後数ヶ月から数年の間にさらに加速していくことでしょう。手間のかからない効率的なキャンペーンの実施が、文字通りワンクリックでできるようになる日もそう遠くはないでしょう。もちろん、これはどのメディアチャネルにとっても理想的な状況であり、ツールが利用しやすいものであればあるほど、より多くの人々に利用されます。そして出稿ごとの競合が増えるほど、利益も増加します。

以前の記事でも紹介しましたが、自動化が進む中で競争力の鍵を握るのは、広告クリエイティブです。ターゲティングや入札は自動化されても、クリエイティブの要素はマーケターが完全にコントロールする部分です。FacebookのAAA広告やGoogle App Campaignsの広告の力は、広告主がコンピューターに「食わせる」クリエイティブの質によって左右されます。

クリエイティブが重要な理由

これは単なる推測ではありません。Google App Campaignsの広告主にいち早く技術を提供してきた当社は、この種の自動化について何年もの知見を蓄積してきました。広告主側のコントロールが効かなくなり、競争ばかりが激しくなるという話は、毎日のように目にします。さらに、こうした環境では、効果測定に課題があることも否めません。広告は動的に生成されるため、測定可能な明確なクリエイティブ→広告→広告セットのピラミッド構造はありません。

また、自動化された環境でパフォーマンスを向上させるためには、クリエイティブが鍵となりますが、それ自体はまだパズルのようなものだということを覚えておいてください。良いクリエイティブとは何か?どのようにしてクリエイティブを測定するのか?チャネルやキャンペーン間のクリエイティブのパフォーマンスをどのようにトラッキングするのか?入札やオーディエンスが手動で、それ自体に最適化の余白が残っていた頃は、多くのマーケターはこうした疑問の答えを探そうともしていませんでした。その結果は明らかで、あまりにも多くの予算が最適ではないクリエイティブに費やされています。 2020年度の最新のクリエイティブインサイトレポートでもこの傾向を取り上げています。

何をすべきか

その答えは、「クリエイティブに投資する」という何ともシンプルなものです。画像、動画、テキストなどのクリエイティブは、広告やキャンペーンに使用されるライフサイクル全てにおいて、パフォーマンスを継続的に監視・分析する必要があります。クリエイティブを中心としたアプローチを採用することで、周囲のすべてのものを見るレンズの焦点も変わるはずです。

  • 適切なデータを見つけ、それを実行可能なインサイトに変える。 これにより、データの質とインサイトの堅牢性で、競合他社よりも一歩リードすることができます。ユーザーは同じ広告を異なる場所で目にすることが多いため、できればチャネルをまたいでコンセプトや特定のクリエイティブを分析することを推奨します。

AAAのような自動化されたキャンペーンをテストする際には、クリエイティブを中心としたアプローチが特に重要になります。クリエイティブの品質をきちんと把握していないと、AAAの各テストがクリエイティブの不注意なテストを兼ねることになり、インサイトの明確さが低下してしまいます。クリエイティブを中心とした戦略を事前に実施することで、テストする内容がテストしたい内容であることを確認することができます。

  • クリエイティブを重視した会話を確立する。 データに基づいたクリエイティブについてデザイナーと話す際には、何が有効で何がダメかを伝えることが重要です。企業成長チームとデザインチームは、目標とKPIを共有すべきです。そうすることで、デザイナーは自分の判断の影響を常に理解することができ、自らのデザインプロセスの指標となる実行可能なインサイトを得ることができます。

自動化されたキャンペーンでは、自動化されているがゆえに粒度の低いデータしか得られません。この問題を解決し、デザイナーに最良の実行可能なインサイトを提供するためには、データ拡充機能を備えたキャンペーン分析ツールを使用することをお勧めします。

  • 効率的なクリエイティブテストの業務フローを導入する。クリエイティブテストは、自動化された世界で成功するために必要なもう一つのプロセスです。成功したクリエイティブやコンセプトを使ってできることは限られており、企業が成長すればするほど、手元に利用可能なクリエイティブやコンセプトがどんどん必要になってきます。最高のクリエイティブを迅速かつ効率的に見分ける方法を学ぶことが、規模拡大の鍵となります。

自動化されたキャンペーンにはテストが組み込まれていますが、クリエイティブをテストするための専用ツールや業務フローに取って代わるものではありません。

  • キャンペーンだけではなく、クリエイティブの動向にも気を配る。 マーケターが常に気をつけなければならないことのひとつに、クリエイティブ疲弊があります。大ヒットしたクリエイティブにも疲弊は訪れます。疲弊を早期に認識することで、これらのクリエイティブを速やかに引退させることができます。

また、AAAは自動化されているため、自己満足に陥りやすいという欠点もあります。このような衝動と戦い、クリエイティブ中心の意思決定を自動化されたプロセスだけに委ねないようにすべきです。AIは多くの知識を持っているかもしれませんが、そのデータセットは限られています。一方、人間のデータセットは、多くの異なるキャンペーン、チャネル、ファネルステージに及んでいます。1つのチャネルでのパフォーマンスの小さな落ち込みは、すべてのチャネルでの小さな落ち込みよりもはるかに特定しづらいため、ここでは、クロスチャネル分析が重要になります。

どうすればいいのか

これまで述べてきたことの中には、新しい業務フローやクリエイティブを中心にする考え方が必要なものもあります。これには時間がかかり、社内およびチーム間の調整が必要です。自動化が進めば進むほど、こちらでコントロールできるパラメータの数は少なくなります。そして、間違いなく、さらなる自動化が進んでいきます。

その他の作業は、適切なツールがあれば実現できます。Bidalgoは経験、ノウハウ、そして独自のツールを備えたCreative Centerで、マーケターのクリエイティブの制作やテスト、分析、そして最適化をこれまでずっと支援してきました。

Published on 11月 11, 2020
Doron Wagner

Director of Media Innovation @ Bidalgo.

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